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三田うどの伝統栽培

寒の戻りといいましょうか、肌寒い曇り空の中、三田までお出かけしてきました。

と言っても、早めに仕入れを済ませて昼営業の前の僅かな時間(滞在時間30分)でとんぼ返りです。


目的は三田の独活(うど)です。

収穫期が短いので、今を逃すとまた来年になってしまうので、今日がラストチャンス。


「三田うどを今どき無農薬で作ってる人がおるで。そりゃ素晴らしいから見ておいで。」と、ひょうごの在来種保存会の山根さんから電話をいただき、それでは!とすっ飛んで来た訳です。

FAXしていただいた地図通りに進むと、何だか見覚えのある風景。

なんと玄斎のオープン前後に、店主が飛び込みで訪問したことのある農家さんでした。

その時は何のツテもないままに、とりあえず三田のJAに行けば見学させていただけるような農家さんを紹介していただけるだろうと来てみたところ、後日返事するというつれない解答でした。

いきなりノンアポですから無理もないのですが、諦めきれずに帰り道に見つけたうど小屋に入れていただきました。

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そこがまさにココ!


周辺のうど小屋がパイプハウス化していく中、こちらは昔ながらの「藁葺き」ですから、山根さんが紹介してくださるのも納得。


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猫の手も借りたいほどの忙しさの中ですから、質問もできませんでしたが、この美しい光景を見たら、「フワァーッ…!」と言うほかありません。

藁を持ち上げて伸びた薄ピンク色のうどは、写真で見るより遥かに暗い小屋の中で、幻想的な光を放ちながら、なまめかしい姿を現しています。

水田が休んでいる冬の期間、丸太と藁で小屋を組み栽培するんですね。

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後で調べますと、三田市でうどの促成軟化栽培をはじめたのは大正5年。門外不出だった大阪の三島うどを学校教材として持ち帰り、地域産業振興のために試作したことに始まったそうです。

現在は有馬3号という赤うど品種で、伝統的な栽培方法を簡単に説明すると、夏に栄養分をタップリ蓄えた親株を、霜にあたって枯れたころに堀り出し、遮光性の高い藁でつくった「うど小屋」に、藁や干し草、堆肥で伏せこんで、発酵熱であたため、その株から発生した新芽を2〜3月に収穫します。

近年はパイプハウスの中で電熱温床で保温して育てる方法が多くなり、三田の冬の風物詩「うど小屋」も激減しています。

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一本一本、丁寧に箒で産毛についた汚れを払いながら仕分けしていきます。

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本当に大変な作業から生み出される春の味なんですね。

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店主も少し分けていただきました。

箱からはみ出しそうな立派な三田うど。
神戸にはほとんど市場流通していませんが、知る人ぞ知るひょうごの伝統野菜です。


感想は、みずみずしくてアクが少なく、用途も広いスグレモノ。皮が薄く、一周桂剥きするだけで白い柔肌がでてきます。

芽は天ぷら、皮はキンピラ、中身はやっぱり生が最高です。


来年も春を待って伺いたいと思います。
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by gensai-kobe | 2011-03-29 00:57 | 玄斎の味