2011年 07月 10日
わさびに涙す
わさび農家さんを訪問してきました。
店主も常々気になってはいたのですが、なかなか機会がなくて、今まで伺うことが出来てなかったんです。
休日の午前中に時間が作れたので、前日にアポをとって早朝に出発です。
6時30分。
車で自宅を出ました。
吉川JCTから舞鶴道を北上、春日ICから北近畿豊岡道経由で、国道9号線に入ります。
和田山を越えて、八鹿方面に向かいます。
右手に円山川の悠々とした流れを見ながら、気持ちいいドライブですが、まだ9時なのにすでに外気温は29℃。今日も暑くなりそうです。
目的の農家さん、北村さん宅は、小さな集落の中にあります。
バス停も何となく趣きがありますね。
道中には溢れんばかりの用水が流れ、川魚の養殖池がありました。
わさび田はこの隣りにあります。
挨拶もそこそこに、すぐに見学させていただきました。
店主にとって、わさび田の見学は初めてですが、テレビなどでよく目にする静岡あたりのものとは、少し様子が違う感じがします。
段々になってるのではなく、緩やかな傾斜になっていて、水の流れも穏やかです。
ただ水量は凄いです。聞けば、兵庫県一の湧水量だそうです。
5km奥の神鍋山からの地下水がこの地に湧き出るのだそうで、清水が山肌全体から滲み出ています。
表面に敷き詰めた石を掘ると、水がどんどんと出てくるのがよくわかります。
わさびが商品となるまでには、2〜3年ほどかかります。栽培方法はいたってシンプル。
初夏にわさびの種取りをします。
長く伸びた花茎を刈り取り、エンドウ豆のような形をした鞘を摘んでいきます。
↑これは、収穫の残骸ですが、2ミリくらいの種がしっかり詰まっていますね。
これを、寒冷紗に包んで涌き水に浸けておくと、2ヶ月で鞘が腐り落ち、種だけになります。
↑「里芋か?」と思ってしまいましたが、これが種とり中の様子です。流水でないと、酸欠で種自体腐ってしまうのだとか。
で、これを保存しておき、土の苗床に植えて発芽させるんですね。
4〜5ヶ月で苗に成長したら、わさび田に移植していきます。
2年ほどで、このくらいまで成長するらしいのですが、全て手作業。それは大変な労力です。
→詳しくはこちらを是非ご覧ください。
他の産地の多くでは、「真妻型」と呼ばれる品種をバイオ技術で改良したものを栽培しているようですが、こちらでは、在来種の「ダルマ型」にこだわり、代々種とりをしながら、守っていらっしゃいます。
なんでもそうですが、在来種は自然の影響を受けやすく、栽培が難しいものです。
しかし、この地の恩恵に感謝しながら、敢えて300年前から同じ方法、同じ種を無農薬栽培で育てていらっしゃる姿勢には感動すらおぼえます。
「モンシロチョウも葉を食べるから害虫なんですが、薬も撒けませんしね。」と笑う北村さん。この大変な作業をご家族だけでなさっています。
作業場では、ご両親が選別をしていらっしゃいました。
今まで玄斎で使っていた他所のものより、小さいですが、引き締まった印象を受けます。
翌日、店で食べ較べると、味の違いがよくわかりました。
現在使用中のものは、少し水っぽくて、甘味があり、味・香り・辛みが柔らかな印象です。
対して、北村さんのわさびは、適度な粘りに加え、鮮烈な香りと辛みがあり、シャープな風味。
どちらをとるかは、好みになるかもしれませんが、店主はピリッと大人味の北村わさびが気に入りました。
生産地現地を訪問し、その人や環境、苦労を知り、味に納得した上で使わせていただくことは、本当に意義があります。
しかも、今回も地元兵庫県ですから、これからも贔屓にさせてもらいたいと思います。
突然の訪問にもかかわらず、優しく迎えていただきました北村家の皆様に感謝いたします。
ありがとうございました。
→「北村わさび」さんホームページ
店主も常々気になってはいたのですが、なかなか機会がなくて、今まで伺うことが出来てなかったんです。
休日の午前中に時間が作れたので、前日にアポをとって早朝に出発です。
6時30分。
車で自宅を出ました。
吉川JCTから舞鶴道を北上、春日ICから北近畿豊岡道経由で、国道9号線に入ります。
和田山を越えて、八鹿方面に向かいます。
右手に円山川の悠々とした流れを見ながら、気持ちいいドライブですが、まだ9時なのにすでに外気温は29℃。今日も暑くなりそうです。
目的の農家さん、北村さん宅は、小さな集落の中にあります。
バス停も何となく趣きがありますね。
道中には溢れんばかりの用水が流れ、川魚の養殖池がありました。
わさび田はこの隣りにあります。
挨拶もそこそこに、すぐに見学させていただきました。
店主にとって、わさび田の見学は初めてですが、テレビなどでよく目にする静岡あたりのものとは、少し様子が違う感じがします。
段々になってるのではなく、緩やかな傾斜になっていて、水の流れも穏やかです。
ただ水量は凄いです。聞けば、兵庫県一の湧水量だそうです。
5km奥の神鍋山からの地下水がこの地に湧き出るのだそうで、清水が山肌全体から滲み出ています。
表面に敷き詰めた石を掘ると、水がどんどんと出てくるのがよくわかります。
わさびが商品となるまでには、2〜3年ほどかかります。栽培方法はいたってシンプル。
初夏にわさびの種取りをします。
長く伸びた花茎を刈り取り、エンドウ豆のような形をした鞘を摘んでいきます。
↑これは、収穫の残骸ですが、2ミリくらいの種がしっかり詰まっていますね。
これを、寒冷紗に包んで涌き水に浸けておくと、2ヶ月で鞘が腐り落ち、種だけになります。
↑「里芋か?」と思ってしまいましたが、これが種とり中の様子です。流水でないと、酸欠で種自体腐ってしまうのだとか。
で、これを保存しておき、土の苗床に植えて発芽させるんですね。
4〜5ヶ月で苗に成長したら、わさび田に移植していきます。
2年ほどで、このくらいまで成長するらしいのですが、全て手作業。それは大変な労力です。
→詳しくはこちらを是非ご覧ください。
他の産地の多くでは、「真妻型」と呼ばれる品種をバイオ技術で改良したものを栽培しているようですが、こちらでは、在来種の「ダルマ型」にこだわり、代々種とりをしながら、守っていらっしゃいます。
なんでもそうですが、在来種は自然の影響を受けやすく、栽培が難しいものです。
しかし、この地の恩恵に感謝しながら、敢えて300年前から同じ方法、同じ種を無農薬栽培で育てていらっしゃる姿勢には感動すらおぼえます。
「モンシロチョウも葉を食べるから害虫なんですが、薬も撒けませんしね。」と笑う北村さん。この大変な作業をご家族だけでなさっています。
作業場では、ご両親が選別をしていらっしゃいました。
今まで玄斎で使っていた他所のものより、小さいですが、引き締まった印象を受けます。
翌日、店で食べ較べると、味の違いがよくわかりました。
現在使用中のものは、少し水っぽくて、甘味があり、味・香り・辛みが柔らかな印象です。
対して、北村さんのわさびは、適度な粘りに加え、鮮烈な香りと辛みがあり、シャープな風味。
どちらをとるかは、好みになるかもしれませんが、店主はピリッと大人味の北村わさびが気に入りました。
生産地現地を訪問し、その人や環境、苦労を知り、味に納得した上で使わせていただくことは、本当に意義があります。
しかも、今回も地元兵庫県ですから、これからも贔屓にさせてもらいたいと思います。
突然の訪問にもかかわらず、優しく迎えていただきました北村家の皆様に感謝いたします。
ありがとうございました。
→「北村わさび」さんホームページ
by gensai-kobe
| 2011-07-10 23:57
| 玄斎の味