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船坂の青身大根

少し前になりますが、半日のフリータイムができたので、ふと思いたって近場の農家さん訪問をしてきました。

青身大根という、ひょうご伝統野菜の一つです。

京都での修行中、和歌山産の青身大根をこの時期になると、椀ものの色どりによく使っていたのを記憶していますが、兵庫県西宮市の方が歴史は古いとのこと。


72歳の坂口さんも、この地で40年近く作り続けていらっしゃいます。

有馬の温泉街から10分足らずで到着。
わりあい鄙びた農村なので、西宮市と聞くと驚きます。

お宅で楽しいお話を聞かせていただき、農家巡り恒例の「軽トラ・ツーシーター」。
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坂口さん、細い農道をなかなかの爆走。素晴らしいドラテクです!

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弓なり型の畑の片側は、玉ねぎとニンニクの収穫後。

イノシシがよく出没するので、畑のグルリに電線を張ってあります。
これに触れると、大仁○厚ですよ(笑)

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↑ほら、イノシシがミミズをほじくった跡。
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↑こちらは、生け捕り籠。
環境破壊で、イノシシも人間も大変です。

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さて、青身大根を抜いてもらいました。

「青身」というだけあって、根上部の緑色の部分が長いほうが、市場価値が高いとされているそうです。

また、葉から根の先まで、真っ直ぐでないと、料理屋では使いにくいということで、ご自身の研究で曲がらないように育てる工夫もされていて、これがなかなか大変なことです。
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私個人的には、曲がっているのも大根っぽくて、別に構わないし、それなりの使い方をすれば済む話と思うんですが。

自分も含め消費者としては、こういったご苦労も知った上で、意見するべきかもしれませんよね。
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それから、こちらでは毎年種とりをしてらっしゃいますが、何年か前に、どこからか桜島大根らしき花粉をもった虫がきて、一部で交配してしまったそう。

それ以来、毎年その交配種の特徴を持たない、元々の青身大根の固有種であろう種だけを採取しているつもりでも、やっぱり多少は交配種が出てくるみたいです。

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↑この左の太い方が交配種。花が咲くまでに、抜かないといけません。
在来種を作る方々にはよくあるようで、大阪・豊能の真菜でも聞いたことありますね。

中学で習ったメンデルの法則は、もう忘れてしまいましたが、日々自然と向き合い、何十年、何百年の経験を積み重ねて、現代の農法ができたんでしょうね。
それこそ、ケミカルやサイエンスだけで片づけるのは、面白くないところ。

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収穫後は、洗浄ドラムで泥を落として下さいました。
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真っ白に変身‼
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2日後に、料理本の撮影に利用させてもらいましたが、しなやかで、きめ細かい大根を表現したくて、魚のしっとり代表「甘鯛」のひと塩物と組み合わせました。(その本については、また報告します。)

湯に放ち、真っ青になった葉も、これほど美味しいものかと、姿の美しさだけでなく、青身大根の味に改めて感動しました。

こんな粋な地野菜が西宮にあるなんて、もっと自慢するべきですよね。

高齢化で数軒を残すだけの、青身大根の生産者ですが、地元兵庫県の誇りとして、応援しています。

坂口さん、本当にありがとうございました。
いただいたニンニクのしょうゆ漬けも、新米のヒノヒカリも、ホントに美味しかったです。

また伺います。今回は時間の都合でいけませんでしたが、今度はその美味しいコーヒーのお店に連れて行ってくださいね。
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by gensai-kobe | 2012-11-09 07:16 | 美味しい話