2010年 11月 24日
最終回を終えて
話は遡って、「ESPACE & 玄斎 最終回」の報告。。
今回は、10回目を数える恒例のコラボイベント最終章です。
今までコラボの献立は公表しておりませんでしたが(←特別意味はありません)、今回は簡単に説明を…
Amuse-Guele
それぞれの出汁
Tapas6
自家製塩鰤の酒粕煮 エメンタールチーズ風味
和牛ホホ肉の冷たいグラーシェ
薩摩知覧どりと淡路百日どりの合挽つくね焼
ズワイガニとブロッコリーのクロメスキ
聖護院かぶら、帆立、柿の博多押し 柿酢かけ
ゴボウ、サワラ、鴨のコンフィのクルスティヤン
Entrée
アルルカン(道化師風) 豚汁をイメージして
Entrée
秋鱧糝薯と蕪のみぞれ団子、天然なめこの菊菜あん仕立
Poisson
ガルビュール(バスク地方スープ) 鱈、チョリソ、モジェット豆
Viande
鹿肉ステーキ ヤーコンきんとんと麦飯ぞえ 味噌漬け生姜の甘辛醤油たれ
Dessert
雪下人参
Dessert
玄斎特製 くるみ玉子
焙じ茶
アミューズの「それぞれの出汁」とは、エスパスのブイヨンと、玄斎の一番出汁のこと。
普段からそれぞれの店の味の柱になっているもので、コラボレーションの象徴として最も端的に表現しました。
ただただ塩のみで味付けし、一口ずつ。
前菜のアルルカンは、真空調理の手法の一つである「トランスパランス」にした玉葱を始めとする色々な野菜類と生ハムなどを散りばめて、ほうれん草と安納芋のピュレと味噌のパウダーで食べる料理。
豚汁をフレンチ的に分解・再構築するあたりが、なんとも加古シェフらしい、エスパスらしい料理ですね。
これが不思議なことに、豚汁を食べていると錯覚を起こすので、ルックスとは対照的に、日本人にとって馴染みのある味なんです。
また、徒歩1分の「サ・マーシュ」さんから営業直前に運ばれるパンは、西川シェフが今回のために、特別用意してくださった米粉パンです。
試作を繰り返して、和のテイストを加えてくださいました。感謝です。
北海道のエゾシカは、クセのない緻密で柔らかな赤身肉です。
店主にとって鹿肉の料理を作ることは、たたき以外初めてでしたが、加古シェフがホントに美味しいエゾシカを仕入れてくださったので、ヤマゴボウのシャープな土の香りと、甘味をもたせたソースを添えて、ベリーレアっぽく低温焼きにしました。
…っとまぁ大雑把な説明ですね。
お蔭様で今回も連日満席で、お馴染み様に囲まれての幸せな最終回になりました。
これまで、何度もこのイベントにお越しいただいた方もいらっしゃいますが、ご予約がお取りできずに残念ながらお越しいただけなかった方もいらっしゃいます。
そして、やはり色々至らぬ点も多かったことと思います。
でも、「次も楽しみにしてるよ。」とのお声に、立ち止まることなく6年間続けてこられたのだと思います。
最初は軽いノリで、加古シェフと「二人で何かやりたいね。」と始めたことでしたが、当時は異ジャンルのコラボレーションはあまり聞いたことがなく、神戸でこのイベントを続けた喜びを感じています。
結論はでることのないものですが、お互いの料理そのものを深く考えなおす機会になったことは間違いありません。
日本料理とフランス料理。
それぞれに携わることに誇りをもち、互いをリスペクトしあうことで生まれる世界公用語を少し勉強できたように思います。
これからも、より一層「食の楽しさ」を追求したいと思います。
最後になりましたが、今まで参加あるいは応援してくださったお客様、陰ながら支えてくださった方々、イベントの趣旨を理解していいものを届けてくださった業者さん、二人のシェフのわがままを聞いてくれたスタッフや家族に、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。
by gensai-kobe
| 2010-11-24 22:18
| 玄斎の味